中核市における児童相談所の設置と事業内容について、地元の大崎ゆうすけ県議と2人で横須賀市児童相談所へ視察に行って参りました。
児童相談所とは、18歳未満の児童に関するあらゆる問題について、地域住民からの相談に応じ、児童や保護者に最も適した援助や指導を行う行政機関です。都道府県や政令市では、児童福祉法により設置が義務付けされておりますが、2006年から中核市にも設置できるようなりました。

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現在、中核市として児童相談所を設置・運営しているのは石川県金沢市と神奈川県横須賀市だけとなり、同じく中核市である船橋市には家庭児童相談室がありますが、一時保護のできる児童相談所は市川市にある千葉県市川児童相談所となり、本市独自の児童相談所がないのが現状です。

横須賀市が虐待を受けている子どもの支援体制として、平成12年に子ども児童虐待防止事業の取り組みを開始、平成14年に子ども虐待予防相談センターを設置(虐待予防、早期発見、虐待の重篤化再発の予防を目指す)。平成16年に改正児童福祉法成立に伴い、市長が県知事に児相開設協議依頼、平成17年に児童相談所開設準備室の設置(24名体制)、平成18年横須賀市児童相談所の開設(この間は県の施設を間借り)、平成20年に「はぐくみかん」を開設。児相の移転と一時保護所も併設、現在の体制による運営開始(職員体制67名)となりました。

児童相談所開設のメリットは、虐待等の相談から公的保護、その後のフォローまでの過程を全て本市として自己完結ができる一貫した支援体制、母子保健部門や障害福祉部門等との情報連携など他機関との連携強化、子どもに関する専門機関として各関係機関とのネットワーク対応や経済的なリスクの解消に向けた各種手当などの申請指導や、各関係機関との連携による在宅支援が可能となる効果的な支援の実現とのことで、なかでも意思決定の早さが一番とのことでした。

はぐくみかんの施設も視察をしました。
子どもの心理面接などの心理検査を行う心理室をはじめ、家族療法室、遊戯療法室、マジクミラー越しに観察するとともに映像や音声を記録する観察室、親子訓練室、緊急入所対応室、プレイルーム、静養室、児童居室、そして心理療法の1つである箱庭療法(表現された箱庭の情景から心の内面を分析する技法)を行う箱庭療法室などの部屋がありました。

▼心理室
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▼箱庭療法室
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▼箱庭療法室内、棚には様々な種類のおもちゃがたくさん。
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▼箱庭療法室内、人形や家を並べて自分の心をのぞくことができる箱庭療法。
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その他、はぐくみかんの整備費、児童相談所運営費のご説明も頂きました。中核市として大変参考になる取り組みと視察内容でした。本市においても、児童相談所の設置は市長の公約でもあり、将来的に設置を検討していますが、児童相談所の設置だけでは根本的な解決には繋がらないと考えます。児童相談所はあくまでも一時的な手段であり、一番の目的は児童虐待を起こさない環境づくりと考えています。なぜ、虐待が起こるのか、多くはひとつの原因ではなく、親の要因、子どもの要因、家族を取り巻く要因など様々な要因が重なったときに児童虐待が引き起こされると言われています。

船橋市独自の児童相談所設置検討と並行して、様々な要因を検証して根本的な問題解決が必要であると考え、子ども虐待防止に向けて全力で取り組んで参ります!


▼大崎ゆうすけ県議と入り口前にて。
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子ども虐待防止「オレンジリボン運動」