いじめは、その兆候をいち早く察知し、迅速に対応する必要があります。いわゆる早期発見、早期対応ですが、いじめの兆候はいじめの場面に限らず、子どもの様々な生活場面に何らかのサインとして表れるものであり、子どもたちの様子を確認する機会を意図的に設定することが重要だと考えます。今議会の一般質問では、いじめ防止対策について質疑しました。

平成30年度児童生徒の問題行動等諸問題に関する調査において、船橋市内の公立小中学校の学年別いじめ認知件数の状況は、小学1年生は999件、小学2年生は1287件、小学3年生は1084件、小学4年生は997件、小学5年生は702件、小学6年生は665件、中学1年生は466件、中学2年生は271件、中学3年生は136件となります。調査から小学校低学年の認知件数が突出して多いことがわかります。

いじめの兆候とされる不登校について、教育を所管とする文科省に確認しました。不登校は6年連続増加傾向にあり、小中学校合わせて16万人を超え、深刻な状況であるとのことでした。そして今後の調査では、原因や背景等の詳細を把握する為、来年度、文科省において欠席が続く小中学生から学校などを介さずに聞き取り調査を行う方針を示しています。

その理由は、学校の報告が不自然であることだそうです。いじめの認知件数が過去最多をとなっているのに対し、学校側があげる不登校の理由では、いじめの割合が極めて低い状況で、不登校の要因とされている数字と実態に大きな乖離があるとのことでした。つまり、子どもたちの意識と学校側の認識にずれがあることや意思疎通ができていないということがわかります。

本市の相談体制の一つは、各学校でアンケート調査を行なっています。教室で生徒に調査票を配布し、その場で回収していますが、いじめの相談には勇気がいることに加え、不登校生徒には調査票そのものが届くことはなく、声を聞くべきところに声を聞けていないのが現状です。

そこで、学校を介さない直行型アンケートの実施を提言しました。教室ではなく、各家庭に児童生徒用、保護者用それぞれの調査票ハガキを郵送し、子どもたちが抱えている悩み、保護者側から学校に対しての意見など、直接学校に相談ができないことをハガキに書いて、ポストに投函するだけで学校を介さず、教育相談機関(学校以外)に相談ができる体制です。 私も保護者の方から、学校以外に相談ができるところはないかといった声をよく聞きます。子どもたち、保護者の方から本当の気持ちを聞けない限りは、いじめの根絶、根底にある諸問題を解決することはできません。引き続き、早期発見、早期対応の仕組みづくりについて提言をして参ります。