消防学校の訓練で使用される救助訓練用ダミー人形は約70kgの重さがあるとされています。実際の救助状況を想定し、より実践的な訓練を行うためとしています。

先日の台風や局地的な集中豪雨などにより、各地で道路の冠水や寸断といった被害が発生しました。大規模災害となれば、車両での移動が困難になり、物資の輸送や避難活動が滞ることがあります。実際に能登半島地震では、道路の寸断により多くの孤立集落が発生し、車両による人員輸送や物資供給が非常に困難となりました。千葉県も半島という地形的な特性上、同様のリスクを想定せねばなりません。

こうした状況において、二輪の手押し式リヤカーは非常に有効な手段です。支援物資や医療機器、負傷者を運ぶ際、また倒壊した家屋の瓦礫を撤去する際にもリヤカーは活躍します。また、冠水した道路でも人力で物資や人を運ぶことができ、車でのアクセスが難しい地域にも対応できます。特に大規模な地震や洪水では、建物や電柱の倒壊、土砂崩れなどにより道路が寸断されることが多く、その結果、特に高齢者や歩行が困難な方々の避難が一層困難となります。

そのため、災害時には、人力による搬送手段であるリヤカーの活用が不可欠です。実際に、東日本大震災においても、リヤカーは避難誘導や物資搬送で重要な役割を果たしました。この教訓を踏まえ、宮城県ではリヤカーを活用した避難支援者の搬送計画が策定され、具体的な取り組みが進められています。

一方、船橋市では、避難所となる小中学校に各1台、防災倉庫6か所に各3台のリヤカーが配備されていますが、その数は決して十分とは言えません。狭い道や坂道が多い船橋市では、災害時にリヤカーが非常に有効な手段となりますが、自治会や町会の防災倉庫にはリヤカーが備蓄されていないケースが多く、備蓄を義務化することも検討すべき課題です。

今後の防災対策として、まず自治会や町会へのリヤカーの配備を進めることが重要です。また、住民への使用方法の周知徹底を図り、総合防災訓練においてもリヤカーの活用を促進することで、実際の災害に備える必要があります。

これらの点について9月13日、一般質問の中で、大規模な地震や洪水を想定した防災リヤカーの増強配備、防災リヤカーを活用した避難訓練の実施状況、自治会等への配備と住民への周知徹底、個別避難計画を活用した総合防災訓練の実施について、質疑する予定です。