義父がモバイルバッテリーをほしいと言うので妻が使い古しの物をあげたのですが、そのバッテリーは15年ほど前に災害時用として購入し、タンスの奥にしまってあったものでした。慌てて私は、それは古いからと、少し前に購入した物と差し替えました。手元に戻した古いバッテリーは、やや膨張しているようにも見えました。危ないところでした。

最近、モバイルバッテリーが原因の火災事故が多く報道されています。就寝中にスマホを充電していたところ、バッテリーから出火し一室が全焼するような痛ましい事故も起きています。発火の原因は内部のリチウムイオン電池の異常発熱で、充電のしすぎや落下による衝撃、経年劣化によってバッテリー内部に傷がつくと、化学反応が暴走して発火する恐れがあります。特に安価な製品は十分な安全装置を備えていない可能性があるため、選び方や取り扱い方、処分方法には十分な注意が必要です。

【環境省】リチウムイオン電池等に関する特設サイト

製品を選ぶ際は、まず国の安全基準をクリアしたPSEマークが付いているか確認します。製品が最低限の安全性をクリアしている証ですが、海外製の安価な製品には、このマークがないものも見受けられます。(大半が小さすぎて見えづらいですが、原則製品本体に表示されています。)次にバッテリー容量の目安ですが、5000mAhは軽くて日常使いに最適です(フル充電一回程度)。10000mAhはスマホ約2回充電できるタイプでやや重くなります。20000mAh以上は旅行や災害時に適しています。また、USB-PDなどの高速充電規格に対応したモデルであれば、充電時間も短縮できます。 

船橋市では今年10月現在、モバイルバッテリーに関する事故が2件発生しています。1件目は市内の駅でバッグに入っていたバッテリーが発火したもの、2件目は自宅のテーブルに置いてあったバッテリーが発火したものです。いずれも火災には至らなかったものの、私たちの身近なところで事故が発生しています。

過去には、可燃ごみに混入したモバイルバッテリーや加熱式たばこが原因で収集車の火災が発生しています。このため市では分別収集を行っています。収集日は不燃ごみの日です。電池単体は透明な袋に、電池が取り外せない製品は不燃ごみの袋に入れ、それぞれ「充電式電池」と書いてごみステーションの端に置いてください。充電式電池を入れた袋には、他の不燃ごみは入れないようにお願いします。

来年4月からは、国の制度も変わり、モバイルバッテリー、スマホ、加熱式たばこは、指定再資源化製品に追加され、メーカーなどの事業者には自主回収とリサイクルが義務付けられ、家庭ごみとしての廃棄は禁止されます。私たち消費者も、今後回収への協力が求められることから、取り扱いには十分に気をつけたいものです。