忘年会シーズンを迎えています。最近は、卓上に備え付けのタブレットや、自分のスマホでの注文が当たり前になりました。便利になった一方で、すぐ近くに店員さんがいるのに「注文は端末からお願いします」と言われると、少しもどかしさを感じることもあります。

先日、ミラノ風ドリアで有名なイタリア料理のレストランチェーンに行き、新しく変わった注文システムの奥深さにハッとさせられました。これまでの「用紙に記入して店員に渡す」方式から、自分のスマホでQRコードを読み取るモバイルオーダー方式に変わっていましたが、紙のメニューを見て注文番号を入力する仕組みは同じです。つまりは、これまでオーダー用紙に記入していた工程を、そのままスマホ入力に置き換えたものでした。

完全にデジタル化するのではなく、見慣れた紙のメニューを残しつつ、操作が難しい方には対面注文も受け付ける。スマホの狭い画面でメニューを探す手間を省き、大きなメニューで選んで番号だけを入力するこの仕組みには、老若男女への配慮が感じられ感心しました。また技術面においても、システムは電卓のようなシンプルな作りで、余計な装飾がありません。スマホの性能や通信環境に左右されず、誰もがスムーズに利用できることを前提とした、無駄のない設計です。

デジタル技術はあくまで課題解決の手段であり、それ自体が目的ではありません。これは、あらゆる世代が利用する行政サービスにおいても同様です。一律にすべてをデジタル化するのではなく、苦手な方への選択肢もしっかりと残しておく。それこそが多様性であり、誰一人取り残さない優しい社会であると、改めて深く考えさせられました。今後の活動に、こうした視点をしっかりと取り入れていきたいと思います。

さて、年末恒例の今年の漢字には「熊」が選ばれました。幸い千葉県には生息していませんが、出没や被害が相次いだ東北や北海道の方々にとっては、深刻な一年でありました。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、流行語大賞では高市首相の「働いて、働いて……」という言葉が選ばれました。国のために粉骨砕身という姿勢は良いのですが、その一方で、「クマ科」であるジャイアントパンダの返還が発表され、国内にパンダが不在となります。怖いクマは困りますが、癒やしのパンダがいなくなるのは寂しいものです。

今年も最後となりますが、一年間、暑い日も寒い日もチラシをお受け取りいただきまして、本当にありがとうございました。来年も変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。