食品ロスあるいは、フードロスという言葉を耳にしたことがあると思いますが、まだ食べられるのに捨てられている食べ物をいいます。

現在、国連世界食糧計画(WFP)における世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食糧援助総量は、700万トン超あります。日本では年間646万トンの食品ロスが発生し、世界でトップレベルです。つまり、食べ物の有り難さや大切さが、忘れ去られようとしています。

これらを受け、国においても2019年10月1日に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。食品ロスの削減に関し、国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的としています。先の節分では、毎年問題となっていた恵方巻の大量廃棄について、農林水産省から小売業界に対し、需要に見合った数の恵方巻を売るようにと通知され、小売各社は予約販売に力を入れたり、サイズを小さくしたりするなど廃棄料を減らす取り組みが報道されました。

船橋市の状況は、家庭から出る可燃ごみの33.5%を占める生ごみのうち約4割が食品ロスとなっています。平成30年度のごみ組成調査によると、家庭から出る可燃ごみのうち、未開封の食材や食品、開封済みで半分以上残った食材や手つかず食品が2.6%を占めています。

船橋市一般廃棄物処理基本計画の基本方針では、基本計画における施策として「ごみ減量のための食品ロス対策」を設定し、食品ロス削減に向けて様々な取り組みを行っています。その取り組み内容として、フードバンク(生産・流通・消費などの過程で発生する未利用食品を食品企業や農家などからの寄付を受けて、必要としている人や施設等に提供する取組を行う団体)フードドライブ(家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクへ寄付する活動)があります。

加えて私たちひとりひとりの心がけでできる取り組みとして、「食べきれる量の注文や購入、調理」などがありますが、その他に「ドギーバッグ」という取り組みがあります。ドギーバッグとは飲食店で食べきれなかった料理を持ち帰る容器のことをいいます。ご飯を食べに行って、食べきれずに残してしまった時に「もったいない」と感じることがあると思います。その際、折りたたみ式の専用容器に入れて食べ残した料理を持ち帰る取り組みが注目されています。ドギーバックの発祥はアメリカで、持ち帰る恥ずかしさから「犬の餌にする」という口実から、ドギーバッグと呼ばれるようになったそうです。飲食店での食べ残しをしない、環境に配慮した取り組みでもあります。フードロスは環境問題においても喫緊の課題でもあります。来る定例会において本市の所感について尋ねる予定です。