近年、アントレプレナーシップ教育を学習に取り組む学校や塾が増えています。アントレプレナーシップ教育とは若者が様々な体験を通じて起業家精神を学ぶ教育で、直面した課題を自ら解決する力を養う教育のことです。具体的には身近に直面した問題に対してビジネスプランを練ったり、新商品を考えるなどのことを行います。

先日、文教委員会の視察で福岡市に行って参りました。視察は教育委員会における子供の貧困対策についての内容でしたが、福岡市の教育施策の中で豊かな心と健やかな体の育成ということで、子供達が将来に夢を持ち、将来的な起業を促進するためのアントレプレナーシップ教育の推進を行なっていました。

視察の当日、担当者が同席しておらず詳しい話を聞くことはできませんでしたが、福岡市では全小中学校での立志に関わる文庫の整理や起業家等による授業を行うという取り組みを行なっています。また、CAPSプログラムと言われる、小学校6年生の子どもたちがチームを組み、ディスカッションをしながら「ぼうし屋さん」 の経営シミュレーションなどを通して、社会の仕組みと経済のはたらきを正しく理解し、意思決定力、他人と違う意見を述べる勇気、リーダーシップなど社会的自立力を身につけることを狙いとした取り組みなども行なっております。

(質問)
最初にアントレプレナー教育の本市の認識について確認をさせてください。

[学校教育部]
チャレンジ精神や創造性,探究心などの起業家精神や,情報収集・分析力,判断力,実行力,リーダーシップ,コミュニケーション力などの起業家的資質・能力の育成を目指す教育であると認識しております。

(質問)
 福岡市の事例のような、実社会に必要とされているアントレプレナーシップ教育は、事業を起こす起業家精神を培う取り組みとして注目されていますが、本市においてもこのような取り組みは行われているのでしょうか。

[学校教育部]
現在,市内の全小中学校で,職場体験学習または職業人インタビュー,職場見学を取り入れ,自分の将来を考え,職業観や勤労観を育てるキャリア教育を行っております。その中で,各事業所についての調べ学習等は行っておりますが,教育委員会が各学校に対して,起業家精神の育成に焦点をあてたCAPS(キャップス)プログラム等の実施をすすめているということはございません。

(質問)
 自分の将来を考えた職業観や勤労観を育てるキャリア教育も大変重要ですが、それに加えて自分らしい生き方を実現する、社会を生きる力として「起業」をキャリアの選択肢として、主体的に行動や活動ができる人材育成も大切かと考えますが、本市の見解を伺います。

[学校教育部]
起業家教育という名称は学習指導要領にはございませんが,「課題発見・解決能力」や「創造性」,「感性,思いやり,意欲,多様性を受容する力」といった力の育成が期待されており,学習指導要領が示す「生きる力」の育成と目指す方向性を共有していると認識しております。教育委員会といたしましては,キャリア教育に継続的に取組み,主体的に行動や活動ができる人材を育成することは大切と考えております。

(要望)
 今回はアントレプレナー教育の概要および、実際にそのような取り組みを行っている自治体の事例紹介をさせて頂きました。最近では、終身雇用のシステムが崩壊し、自分の力で何とかしなければならない時代の中で、子ども達の数ある将来の選択肢の一つとして「自分で事業を起こす」起業という選択肢があっても良いと考えます。

 子ども達が夢や目標をもち,生きる力や挑戦する心を育成する。本市にとっても、次世代の経済界を担う人材育成として、大変期待できるものと考えますので、今後、取り組みの一環として検討して頂きますようお願い致します。