先日、都内の用事があった際に、通りかかった護身用品店に立ち寄りました。この店は時折テレビで取り上げられるほど、国内でも多種多様な商品を取り扱っているお店のようです。店内には、一般的な警棒や盾のような護身用品だけでなく、アクション映画で見かけるような特殊なアイテムも豊富に置いてありました。
訪れる客層として、筋骨隆々の屈強な男性を想像するかもしれませんが、実際には高齢者の方が多く、その様子には驚かされました。特に、警棒を選んでいる年配のご夫婦に対して、店員さんが丁寧に使い方やテクニックを実演しながら教えていたのが印象的でした。直接、購入理由を尋ねることは控えましたが、最近増加している強盗事件などを背景に、自身の安全確保のために商品を求めているのだろうと感じました。

最近の新聞記事によれば、船橋市内での詐欺被害が頻発し、特殊詐欺の被害は県内で最も高く、深刻な問題となっています。今年7月末時点で、被害件数は120件、被害額は約2億6千万円となっており、手口としては「オレオレ詐欺」が最も多く、67件の発生と、約1億5千万円の被害額が確認されています。
千葉県警察が公表した事例によると、例えば「高齢女性の息子の名前を偽って、暗号資産の損失補填として緊急に現金が必要だと詐称し、現金を騙し取るケース」や、「高齢男性の孫を装い、交通事故の示談金が緊急に必要だと偽り、現金を詐取するケース」等が報告されています。

電話de詐欺(振り込め詐欺等)の被害状況(令和5年)【被害が多発中!】

船橋市では、「振り込め詐欺防止装置」の無料提供や、AIを活用した特殊詐欺対策、パトロールカーの巡回などの取り組みを強化しています。しかし、これまでの啓発活動や注意喚起にもかかわらず被害が減少しない現状には、犯罪手口が日々進化しているため、対策も常に更新し続ける必要があると感じています。

以前議会で、住まいの防犯対策に関して取り上げました。防犯カメラの設置補助や、録画機能付きドアホン、錠前、補助錠、防犯フィルム、センサーライト、ダミーカメラなどの購入費用が補助される他市の事例を参考に、同様の補助制度を提案しました。しかし、しかし、犯罪を抑止する人の目の重要性を認識しながらも、他の自治体の情報収集をしていくことに留まってしまいました。

近年では、女性や高齢者を対象とした護身術の講習を提供する自治体が増えています。船橋市では特殊詐欺の防犯教室を開催していますが、犯罪が強盗へとシフトする中で、座学だけでなく実践的な講習も盛り込んでいく必要があると思います。
護身術を学ぶことは、自身の安全を自分で守る手段です。しかし、それを提供する行政の役割は、市民の命と安全を守るものとして位置づけられるべきではないでしょうか。