熊本県、鹿児島県はこれまでにない記録的な豪雨に見舞われました。各地では川の氾濫や土砂災害によって多くの住民の方が犠牲になりました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、被害に遭われた皆様に深くお見舞い申し上げます。
今回の豪雨は、梅雨前線に湿った空気が流れ込み積乱雲が次々と生じて大雨を降らせる「線状降水帯」が原因とされており、これらは3年前の九州北部豪雨、2年前の西日本豪雨でも発生し甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいと思います。このような特別警報級の豪雨の場合には、気象庁が事前に予告することが多いですが、今回は予測ができず早めの避難を促すことができなかったことで被害が拡大しました。
球磨村では特別養護老人ホームが浸水し、一階で寝ていた入居者を上階へ避難させるのが間に合わず、14名の死亡が確認され、尊い人命が失われました。改めて命を守るための行動として、高齢者など自力での避難が難しいとされる災害弱者の避難のあり方について改めて見直す必要があります。また、これまで自然災害に対しては、早めの避難行動が促されてきましたが、同時に防災計画をはじめとした環境の整備の見直しも大きな課題であると思います。
新型コロナウイルスの影響による「複合災害」が懸念されています。複合災害とは、先行災害からの復旧途中で別の災害が発生することです。この複合災害が発生した場合にはさらに被害が深刻化となって復旧が長期化します。そのためには、避難所で感染しないように、避難所を増やし収容定員を絞り居住空間を空ける、検温や消毒、マスクの配布など、感染予防の徹底などが重要となります。
東京都内をはじめ、全国各地、そして船橋においてもまた感染者が増えてきており予断を許さない状況です。
今月22日、行田にある船橋市防災備蓄センター(行田2−8−10)へ、野田佳彦衆議院議員を代表に千葉民主連合で視察する予定です。新型コロナウイルス感染症の対応を前提とした複合災害への備えとして、避難所運営の見直しや防災用品の備蓄状況など説明を受けてきます。
私もこれまで、 スフィア基準を中心とした避難所における環境改善について取り上げてきましたが、今後はさらに感染予防も含めた「複合災害対策」についても重視して取り組んで参ります。