最近、電子マネーによるキャッシュレス決済が話題になっています。スイカやパスモを使った交通系をはじめ、ナナコやワオンなどを利用した電子マネー決済。また、最近ではQRコードを利用した決済なども導入されています。追い風となるのが、今年10月に予定されている消費税増税を控え、経済対策としてキャッシュレス決済へのポイント還元の導入です。電子マネーによる買い物は、専用端末にピッとかざすだけで会計が完了する便利さはもちろん、現金を持ち歩く必要もなく買い物履歴なども閲覧することができるなど、何かと便利になります。
ところが一方で、地域の過疎化や高齢化に伴い、日常の買い物に不便を感じている買い物不便について、買物弱者数が増加傾向にあり、全国的に問題視されています。経済産業省では現在、買い物弱者が約700万いると推計され、高齢者の約17%が日常の買い物に不便を感じているとされています。その対策として、買い物代行や移動販売など、各自治体も買い物弱者対策を行なっています。船橋市も、買い物に困難を感じている方の支援策として、市内で宅配を行っている店舗を掲載している「宅配ガイドマップ」を配布しています。
しかし、買い物代行では、紙面あるいはネット画面上を見て購入。移動販売では、車に乗せられる商品に限りがある上、その限られた中から購入しなければならず、本来であれば、自分が行きたいお店に足を運んで、気になる商品を実際に手にとって購入するといった、買い物を楽しむことができないのが現状です。
そこで、買い物に同行支援をするといった先進的な取り組みを行なっている浦安市に1月17日、視察へ行ってきました。事業内容は、買い物サポート事業として、従来型の買い物代行の他に、買い物利用者に付き添う「買い物同行」を行なっています。外出がしにくくなる高齢者が、自分で商品を見て買い物したいけど独りで行くのが不安という方などを対象に、日常の買い物同行することで、地域のコミュニケーションや、引きこもりや孤立化を防止することを目的に事業を行なっています。
利用者からは、「自分で商品を見て買いたいが独りで行くのが不安」「バスの乗降時に重たい荷物を持ってもらえる」「ケアマネに勧められリハビリにもなった」などの声があり、利用件数も年々増加していることから事業の効果とニーズの高さが伺えました。
浦安市は千葉県内で最も高齢化率(17%)が低いにも関わらず、高齢者の生活課題に対して先進的な取り組みを行なっていました。船橋市は県内で5番目に高齢化率(23%)は低いですが、さらに進行する高齢化に向けて、新たな取り組みが必要です。今後どのような環境の変化があろうとも、自由に好きなものを選んで買い物することができるよう、買い物環境の改善に取り組み、一歩一歩前進させて参ります。