大型連休中は全国的に道路の混雑が予想されます。特に船橋市は普段から渋滞がひどく道路事情に問題を抱えていますが、大型連休中は、市内の道路が比較的空いているようにも感じます。遠出されている方が多いのでしょうか。
4月6日、中日本高速道路のETCシステムの大規模障害がありました。ETC専用料金所を通れなくなり、1都7県、106箇所の料金所に影響が出ました。幸いにも日曜日でしたが、大型連休中であれば、もっと大きな影響がでていたと思います。
ETCは2001年3月に千葉県と沖縄県から運用が開始され、全国展開されました。今では利用率が9割を超え、ほとんどのドライバーにとって欠かせないシステムです。その仕組みは、車載器にカードを挿入し、料金所に近づくと、車載器と料金所のアンテナが無線通信を行い、必要な情報(車両情報やカード情報など)を交換します。この通信から通行料金が計算され、カードの支払情報が確認されると、料金所のバーが開き、車両は通過することができます。
一方で、ETCカードが有効かどうかを判定するシステムがあります。全国を管理する統括システム、より広い地域を管理する広域管理システム、各地域を担当する地域管理システム、そして各料金所サーバが連携して情報を処理しています。盗難や解約などで無効になったカードの情報を含む、全カードの有効性に関するデータは、定期的に(月1回、毎晩深夜等)更新され、上位システムから各料金所サーバに送られます。
ETC専用料金所では、車両が通過する間の約0.1秒という短時間で判定する必要があるため、事前に料金所サーバーに有効なカードの情報を送っておき、あらかじめ無効なカードの場合はバーが開かないように制御しています。
そこで今回の大規模障害の主な原因は、ETCカードが有効かどうかを判定するための重要データの破損でした。通常、データ送信時には一時的な宛先データが生成され、送信後に自動で消去されます。しかし、問題となったシステム(深夜割引対応等で構築中)にはこの自動消去機能が備わっていませんでした。そのため宛先データがメモリ内に蓄積し続け、この溜まったデータが有効性判定データの保存領域を圧迫、上書きし、破損させてしまいました。この破損データが料金所のサーバへ配信された結果、正常なカードまでもが無効とされ、バーが開かないという事態となりました。
今回の事態は、私たちの生活が技術に依存していること、そしてどんなシステムにも故障リスクがあることがわかりました。故障は当然起こるものとして、事前に対策をすることが不可欠です。自分は大丈夫という思い込み(正常性バイアス)を避け、システムの弱点と障害時の対策を再認識する結果となりました。