一昔前は、役所の手続きなど、会社を遅刻または早退、場合によっては半休や有給をとって行っていましたが、最近は、ネットで行政手続きができる、オンライン化が進んでいます。
船橋市でも行なっているオンライン申請・届出サービスのほか、イマイチ不評であるマイナンバーカードでは、住民票の写しや印鑑登録証明書等をコンビニで発行できるようになり、本当に便利な世の中になりました。そして、医療分野でも、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、スマホやパソコンを活用した「オンライン診療」が広まりつつあります。
厚生労働省は1月16日、医師が常駐しないオンライン診療のための診療所について、へき地等だけでなく、必要性があると認めた場合に都市部でも実施を認める通知を出しました。これにより、自宅以外でもオンライン診療が可能となりました。
特に、災害時には避難所となる公共施設などで、重要な役割を果たすことが期待できます。実際に、能登半島地震では、道路の寸断などによるアクセスの困難や医療従事者不在など、十分な医療提供が難しい状況でした。そこで、大手通信会社が避難所と医療機関にタブレット端末等を設置し、オンライン診療を実施しました。このようにオンライン診療は、地理的制約や経済的負担を軽減し、受診のハードルを下げることができます。
そこで2月22日の質疑で、オンライン診療について取り上げました。
小室地区には医療機関がなく、医療提供体制が十分ではありません。豊富町の病院で特定健診とがん検診が実施されるようになりましたが、根本的な解決にはなっていません。選択肢として、厚労省からオンライン診療推進の通知が出ていることを踏まえ、市はオンライン診療についてどのように考えているか問いました。
市の答弁は次のようなものでした。
「厚生労働省からの通知により、必要性があると認められた場合において特例的に、医師が常駐しないオンライン診療のための診療所として、例えば、デイサービス事業所や公民館での開設が認められることとなった。オンライン診療については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の際に、特例的に規制が緩和され、本市においても陽性患者の自宅療養において、ピーク時には50を超える医療機関でオンライン診療が行われた。新型コロナウイルス感染症パンデミック後においても、医療分野のデジタル化が進む中で、地域の限られた医療資源を有効活用するといった観点から一定の需要が見込まれるものと考えている。」
今回の質疑で、オンライン診療は今後需要が見込まれることがわかりました。災害時の医療提供や医療機関不足に悩む住民にとっても有効な手段の一つとなります。国の規制緩和も含め、更なる普及が期待されますが、安全性の確保も重要です。十分な調査研究と適切な運用方法の検討も必要です。以上を踏まえ、市には、検討課題にすると提言しました。