例年より遅い梅雨入りの予想ですが、夏本番になったような厳しい暑さが続いております。熱中症にはくれぐれもご注意ください。
さて、朝の通勤・通学時の電車内では、どのようにお過ごしでしょうか。音楽を聴いたり、スマホでニュースをチェックしたり、読書を楽しんだりと、貴重な時間を様々な方法で過ごされていることと思います。最近では、両手が塞がっていてもイヤホンで本を聴けるオーディオブックなども登場し、昔に比べて電車内での過ごし方がより快適になりました。
近年、電子書籍が大変盛んになってきています。出版社の電子書籍販売額は2022年に6000億円を超え、10年前の10倍以上に急成長しました(出所 インプレス総合研究所電子書籍ビジネス調査報告書2023)。特に電子コミックは全体の9割を占めるまでになっています。スマホの普及により、いつでもどこでも手軽に読書を楽しめるようになったことが、電子書籍市場の拡大を後押ししているようです。
そんな中、私は最近、千葉県立図書館がオンラインサービスを開始したことを知りました。5月28日から、来館せずにパソコンやスマホから24時間いつでも電子書籍を読むことができるようになりました。オンラインで利用者登録も可能で、県内在住・在勤・在学の方は無料で資料貸出券を作ることができます。私もさっそく申し込みをしましたが、申請フォームに各事項を入力し、確認書類をアップロードするだけで、簡単に手続きできました。
そして、国立国会図書館のオンラインサービスも近年ますます充実してきています。2022年からインターネット利用が開始され、全国の図書館の資料をまとめて検索できる「国立国会図書館サーチ」、著作権が切れた資料などをインターネット上で読める「国立国会図書館デジタルコレクション」、1900~1950年頃のSP盤(SPレコード)などの音源を収録した「歴史的音源(れきおん)」といったサービスを提供しています。貴重な戦前の資料なども、タブレットやパソコンで閲覧できるようになり、図書館に行かなくても、オンラインで多くの知識にアクセスできる時代になったのは、本当に素晴らしいことです。
一方で、船橋市には4館(中央、西、東、北)の図書館がありますが、船橋市図書館電子書籍サービスを通じて、来館せずにインターネット経由で電子書籍の検索・貸出・返却が可能です。しかし、電子書籍の利用には申し込みが必要で、利用券をお持ちの方であればメールまたは電話で申し込みできますが、利用券をお持ちでない方は図書館の窓口で利用者登録が必要となり、やや不便です。国会図書館や千葉県立図書館のように、すべての手続きをオンラインで完結できるようにならないものでしょうか。
図書館のオンライン利用は、情報格差の是正や読書バリアフリーの促進にもつながります。障害のある方や高齢の方など、図書館に通うのが難しい方でも、インターネット環境さえあれば読書を楽しむことができます。船橋市の図書館にも、今後さらに利便性の高いオンラインサービスの拡充を期待したいと思います。