数ヶ月前、朝の駅頭活動を終えて、車を停めてあるコインパーキングに戻り、料金600円を支払いしようと手持ちの新500円玉を投入したところ、使用することができませんでした。クレジットカードも使用できず、一万円札しかなかった為、近くのコンビニで飲み物を買ってお釣りを崩し、支払いをしようとしましたが、同じく新500円玉で使用できませんでした。結局、千円札を投入して支払いができましたが、その間の時間の経過で駐車料金が上がっていました。なんてこったと思いました。
このように、現在でも2年半ほど前に発行が始まった新500円玉に対応していない料金清算機や券売機などが多く存在し、その度に不便を感じることがあると思います。

7月3日に3種類の新紙幣が発行されました。財務省によれば、主に偽造防止を目的としており、偽造技術の進歩や時代に合わせて、20年ごとにデザインや偽造防止技術を刷新しており、今回は2004年以来の変更のようです。
新紙幣の発行に伴い、多くの企業や機関が対応に追われています。特に自動販売機や飲食店の券売機の対応には負担が重くのしかかります。ニュースでインタビューを受けたラーメン店は、券売機の入れ替え費用や原材料費・高熱費高騰のトリプルパンチで悲鳴を上げていました。

このようなことから、キャッシュレス決済の普及により、新紙幣への対応を見送る企業も増えています。しかし、店側が負担する約3%の決済手数料や食材の高騰、券売機の改修費用などが経営を圧迫し、店主は値上げと客離れの板挟みになっています。行政からの支援もなく、厳しい状況が続いていることから新紙幣への対応は、まったなしです。

機器の入れ替えや改修には多額の費用がかかるため、補助金や助成金の活用が重要ですが、千葉県と船橋市では該当する補助金制度がありません。国のIT導入補助金制度では、導入費用の一部を補助してくれますが、ベンダーが提供するインボイス制度対応の会計・決済ソフトとセットで導入する必要があり、手続きが複雑です。
一方、葛飾区では今月から自動販売機新紙幣更新対応補助金を行っています。区内の店舗で現に使用していて、引き続き使用する、または入れ替える自動販売機1台につき、補助率二分の一(上限額30万円)としています。資本金5000万円以下または従業員50人以下で、葛飾区内に店舗を有する法人や個人事業主を対象としており、非常にわかりやすい制度となっています。

新紙幣への対応は、自動販売機や券売機の改修が必要な中小企業にとって大きな負担です。地域によって補助金制度に差がある現状を改善するため、国は分かりやすく使いやすい制度の導入に加えて、地方自治体への財政支援をする必要があります。これにより、中小企業の負担を軽減し、円滑な新紙幣への移行と、全国どこでも質の高い行政サービスの提供が可能となります。
新紙幣の対応について、早急な環境整備と支援策を講じるべきです。