連日のようにクマによる被害が報道されています。待ったなしの安全対策と同時に、野生動物との境界線や関わり方を根本から見直さなければなりません。
千葉県は「本州で唯一クマがいない県」として知られていますが、その一方で、イノシシは、房総半島に古くから生息していました。1970年代中頃に絶滅した可能性が高いとされていましたが、1980年代頃から生息数が急増し、今では千葉県内で最も農作物の被害を発生させているとして、その対策が喫緊の課題となっています。
生息地は主に、里山やその周辺の農地となりますが、最近は市街地や河川敷などでも目撃されています。クマと同じく、神経質で人を避ける動物ですが、突然の遭遇や子連れの防衛行動、餌付けによる人慣れが被害の要因になります。遭遇した際は慌てずに後ずさりし、刺激しないことが重要です。また、犬を連れている場合は、イノシシが犬を敵とみなして攻撃することがあるため、こちらも注意が必要です。
特性としてオスの成獣は鋭い牙を持っています。突き上げるなどといった攻撃を行うことがあり、興奮すると時速45キロメートルで突進し、1.2メートルを跳び越える跳躍力や、数キロメートルを泳ぐ能力もあります。嗅覚も犬並みに優れ、70キログラムの物を持ち上げる力を持つともいわれ、まさに驚異的な身体能力です。
このような猛獣が船橋市内にいるのかと市民の方に聞かれました。
現在の状況について、市の担当課に確認しました。現時点で船橋市内におけるイノシシの目撃情報は確認されていませんが、過去には出没したこともあるとのことでした。市は、今後の出没を想定し、パトロールの実施や、目撃情報があった際の防災行政無線による注意喚起を行う体制を取っています。万が一イノシシを見かけた場合は環境政策課自然係までご連絡ください。
また、対策となる箱罠(イノシシを丸ごと捕獲できる箱型の檻)や、くくり罠(踏むとワイヤーが作動し足をくくる仕組み)は、千葉県が市町村に貸し出しているとのことですが、県内で出没が相次いだ場合には、罠の数が不足する可能性もあるとのことです。すでに、浦安市や千葉市などでも出没が確認されており、船橋市でも過去に出没した事例もあることから、再び現れる可能性も否定できません。引き続き警戒と注意が必要です。
11月13日から今年最後の船橋市議会が始まります。私の質問は11月26日(水)を予定しています。勢いあまって「猪突猛進」とならないよう、柔軟な姿勢で臨みたいと思います。