マイナンバーカードはお持ちですか。総務省が公表しているカードの交付状況は44%(5月1日現在)。船橋市は44.2%、およそ2人に1人が持っている状況です。

マイナンバーカードは写真付き身分証明書のほか様々な行政手続きができるとされています。さらに、24時間オンライン上で行政手続きを行うことができるマイナポータルというサービスもあります。子育てや介護など、これまで市役所窓口で行っていた手続きや行政からのお知らせも受け取ることができるほか、行政機関が保有する自分の情報を確認できるなど自分専用のページになります。手続きの項目は自治体ごとによって異なり、船橋市では、妊娠・出産、子育て、引越し・住まい、ご不幸の手続きができますが、近隣他市では、高齢者・介護、医療関係など幅広く対応しています。実際に市民の方からは、マイナンバーカードの普及に向けてマイナポイントなどの取り組みを行うなど利用者を増やす一方、対応する行政手続きの種類が少なくメリットを感じられないとのご意見がありました。特に、高齢者に関する手続きについては、足腰が不自由な方や交通不便の方などに配慮するためにも重要だと思います。

昨年10月に保険証の機能を加えたマイナ保険証が利用できるようになりました。対応している医療機関で保険証としての利用と、患者が同意すれば過去の健診内容や処方箋の内容が医師と共有できるようになって便利とされる一方、マイナ保険証を使用することによって、4月からの診療報酬の加算措置として、カードを提示した患者は自己負担3割のケースで初診時に21円、再診時に12円、調剤で9円の負担が生じることとなり、利用者の方から波紋を呼びました。その理由は、マイナ保険証に対応できる医療機関を増やすために、その分が診療報酬に加算され患者の負担増とのことです。

通常デジタル化になるのであれば業務負担軽減などから現状よりも安くなるのが当然ですが、マイナ保険証に限っては、逆に高くなってしまうということで、全く理解ができないのと、利用者にとってメリットも感じられないことから、政府が掲げる利用者拡大に逆光しているのではないかと私は思います。さらに政府は23日、将来的に現行の健康保険証も原則廃止を目指すと骨太方針に明記する方向で検討しているようですが、交付率が未だ低い中で少し強引な感じもします。今一度、制度や機能など納得ができる説明が求められます。

マイナンバーカードの取得や利用について、個人情報の観点からも賛否両論ありますが、カードを取得することによって得られるメリットを増やすと同時に、高齢者の方をはじめ子育ての方、そして日中お仕事で市役所窓口に行くことができない方などが利用しやすくなるよう、まずは本市におけるオンライン申請手続きの種類を増やしていくべきだと思います。本件については、6月2日の一般質問で取り上げる予定です。