私たち大人には「職業選択の自由」から働き方に選択肢があります。しかし、小中学校の子どもたちには、義務教育課程に基づき、学校や先生、クラスメイトを自由に選択ができる選択肢がありません。様々な社会状況の変化に伴い、子どもたちの置かれている状況や課題も多様化していることから、不登校者数は年々増加し、文部科学省の調べで不登校児童は過去最高の約24万人であることがわかりました。学校に馴染めない子どもたちに今、新しい学習環境が求められています。

小中の不登校が急増、24万人 コロナ禍、いじめも最多61万件

そこで私は、前定例会の一般質問において、「本市においても不登校特例校を設置すべきではないか」という旨の質問をしました。しかし市は、県や政令指定都市の動向を注視していくとともに、先進校の取組などについても調査研究を進めてまいりたいとのことで、不登校特例校の設置について、非常に消極的であることがわかりました。

県議会で9月、野田剛彦県議が「不登校特例校」の設置と、県内市町村への不登校特例校設置の働きかけや、財政支援や人材派遣等、様々な協力体制の検討について要望しました。その結果、県教育長は「設置を希望する市町村に対して必要な支援を行うなど、連携して取り組む」との答弁でした。

このように、県は設置を希望する市町村に対して全面的に支援するとのことでした。そこで12月1日の一般質問において私は、本市にとって喫緊の課題である不登校対策の支援策の一つとして、県の協力を仰ぎながら前向きに検討をはじめる絶好の機会ではないかと、新教育長に対して改めて、不登校特例校の設置について見解を伺いました。

【教育長 答弁】
不登校特例校の設置については、 県や政令指定都市の動向を注視していくとともに、先進校の取組状況や 教育的効果や課題などについても調査研究を継続していきたい。また、増加する不登校児童生徒の支援の充実に向けた対策は必要であると認識している。新たに学校を開設することは、市の施策としても重要課題となることから、慎重な協議や対応が必要となる。まずは、北東部地区に適応指導教室を新たに設置することについて検討を進めてまいりたい。

改めて不登校特例校とは、学習指導要領の内容などにとらわれずに児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を実施し、フリースクールとは異なり元の学校から転校でき、通常と同じ卒業資格が得られる学校です。つまり不登校児童生徒のために独自の教育過程を設ける学校であり、学校復帰を目的とした適応指導教室とは内容が異なります。

これまでの本市における不登校支援では、大きな改善が見られないことは不登校者数の増加傾向から明らかです。そうであるならば、新たな支援策の検討を始めるべきではないでしょうか。引き続き、本市における新たな不登校の支援として、「不登校特例校」の設置を強く求めて参ります。

【動画】本会議録画中継 令和4年12月1日 一般質問