韓国の梨泰院で10月29日、ハロウィーンの賑わいによる人並みに押しつぶされる圧死事故が発生し、日本人2人を含む150人以上が犠牲となる痛ましい事故が起きました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々にお見舞い申し上げます。
思い起こせば2001年にも明石歩道橋事故がありました。明石市の花火大会の見物客が歩道橋の上に殺到、滞留し、群衆雪崩が発生して死者11名、183名以上の方が負傷した事故も記憶に新しいかと思います。いずれも事故原因とされる共通点は警備体制の不備が指摘されており、本来であれば、不測の事態を想定し、事態に対応できるよう備えておけば被害を最小限に食い止めることができたはずです。
そして同様に、満員電車も圧死による事故が発生してもおかしくない場所の一つです。特に緊急停車などによる急ブレーキ時の転倒は本当に危険です。
昭和30年に押し屋と呼ばれる列車の扉に挟まれないよう乗客や荷物を押し込む仕事が、国鉄の新宿駅で初めて登場しました。当時は乗車率200%を超えていたでしょうか。各駅ホームの乗降ドア付近に1人ずつ待機していて、列車の発着時に、急いで車両に乗り込む乗客を車内に収まるよう必死に押し込んでいた光景がありました。私も会社員時代に常磐線で通勤していましたが、なんとしても一本の電車を逃さないよう溢れんばかりの車内に乗り込み、ドアの上の部分を両手で押さえながら無理やり乗り込んでいました。
このように通勤等の混雑時には注意が必要です。掴まるものや、バックを前にしてスペースの確保など、圧死の危険を感じたら、緊急時を知らせるSOSボタンで迷わず救助の要請をしてください。二度と悲惨な事故を起こさせないよう安全意識を高めることが大切だと思います。
さて、私が所属している消防委員会は、10月18日、消防庁舎の建て替えについて要望書を市長に提出しました。船橋市役所前に位置する消防局・中央消防署は築49年が経過しており、建物の老朽化が著しく、消防庁舎として求められる耐震診断数値も下回っています。また、現在の場所は浸水想定地域にもなっており、近年の異常気象による洪水などにおいて真っ先に市民の生命を守るために対応するのが消防職員であり、その消防職員の身の安全と人命急所に使用する消防車両や機材が損なわれないよう、万全な消防施設の整備が必要です。令和元年度から優先事業として位置付けられてきましたが、今回は令和5年度の予算要望時期でもあることからも改めて要望書の提出を行いました。建て替え事業の進展を見守りたいと思います。
私たちは、いつ、どこで起きるか判らない災害に対して、普段から日常生活の中で万一に備えて生活をしています。行政においてはそれ以上に、二重三重にも不測の事態に備える必要があります。