先週、幕張で開催されたプロレスの試合観戦に行く機会をいただきました。プロレスと言えば、空手チョップ、16文キック、卍固めなどを思い浮かべる方が多いかと思います。また、女子プロレスでいえば、クラッシュギャルズや、ビューティーペアでしょうか。

従前は男女ごとに分かれた団体でしたが、最近では、男女混合団体の他、男女混合の試合が当たり前のように行われています。当日見た試合では、男女混合の6人タッグマッチでした。154センチの小柄な女子レスラーが、190センチ程で優位に100キロを超える巨漢の男子レスラーを相手に、張り手の応酬や、激しい投げ技を披露しました。柔能く剛を制すと言いますか、大変驚いたのと同時に、頑張っている姿に感銘を受けました。

男子と女子が組む時代は90年代に遡ります。日本初の男女ミックスドマッチとして、プロレス団体FMWにおいて(ターザン後藤&デスピナ・マンタガスvsリッキーフジ&工藤めぐみ)の試合が日本初とされています。当時は、男女を分けて試合が行われていたのが当たり前とされていた中で、男女が一緒に試合を行うのは邪道だと揶揄されていました。
しかし、今ではメジャー団体をはじめ、男女混合試合が定着してきており、男性色の強いイメージであるプロレス界でも、まさに多様性が認められてきていることがわかります。

多様性とは、個人の特徴や特性などの違いを認め合い、尊重し合うものとして、最近よく耳にすると思いますが、十人十色という言葉がある通り、一人一人が一律でないことが当然で、多様性という言葉を発しなくても、当たり前の環境整備が必要であると思っています。

船橋市では、社会が変わり、人々の考え方や個性が多様化する中で、「誰もがお互いを理解・尊重し、自分らしく輝けるまち」を目指して、ふなばしパートナーシップ宣誓制度が令和3年12月に始まりました。この制度は、個々の権利を尊重し、多様性を広めることを期待しつつ、婚姻や親族関係、相続、税金には直接影響はありませんが、社会全体で相互理解や支援の輪を広げるのが目的です。すなわち、法律上の効果はありませんが、事業者等に対して親族と同等の取り扱いを促すものです。

市が宣誓する証明カードの取得によって例えば、市営住宅の申し込みや民間賃貸契約をはじめ、病院での付添いや同意、生命保険の受取人、携帯電話の家族割などの適用、クレジットカードの家族カード作成などの協力を得ることができます。手続き方法は、市役所市民協働課に連絡し、必要書類などの宣誓書を提出し、書類に不備がなければ後日宣誓証明カードが交付される流れとなります。

近年、AIなどの技術発展を背景に、自動化や効率化が求められる中、デジタルにはない、まさしく人間らしさが求められているのではないかと感じる今日この頃です。

猛暑が続いていますが、どうぞ良いお盆休みをお過ごしくださいませ。