11月に入り、晩秋が終わって初冬を迎えるはずでしたが、東京の都心で7日に27・5℃と夏日になり、11月の最高気温を1923年以来、100年ぶりに更新しました。8日の立冬からは朝晩の冷え込みも強まり、日中との寒暖差が激しくなってきました。病は「気」からとも言いますが、寒暖差は心にも負担をかけ、心身ともに疲弊し、病気にかかりやすくなるとも言われます。私も先週に体調を崩してしまいました。くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

続いて「気」ではなく「木」の方です。
紅葉の季節、街中の街路樹が色づき、街の風景を彩ります。しかし、船橋市内では、落ち葉や枯れ葉の清掃が大変という理由から、葉が色づく前に剪定されてしまうことが多く、丸坊主の木が目立ちます。街路樹の管理には、景観的な側面と、震災時などにおける倒木などの安全面があります。そこで、他市の街路樹管理の取り組みを参考にするため、兵庫県芦屋市と西宮市を視察しました。

芦屋市では、街路樹の景観を重視した管理を行っています。街路樹の樹種は、ケヤキやクロマツなどが主ですが、街路樹の管理に対する市民の意識も高く、管理が行き届いていないとすぐに苦情が入るそうです。また、街のイメージを損なわないよう、道端にゴミが落ちていない他、コンビニなどの看板も通常よりも色を落ち着かせ、自動販売機もほとんど見かけないような、とても綺麗な街並みでしたが、個人的に、日常生活では、少し不便さを感じられるのではないかと思いました。ちなみに、芦屋市内でも特に高級住宅街とされる六麓荘町の自治会入会金は、なんと40万円というから驚きです。

一方、西宮市では、街路樹の安全を重視した管理を行っていました。老朽化した大木による倒木リスクや、強剪定によって根が弱くなるといった問題などを踏まえ、専門家による定期的な点検や、手入れの行き届いた街路樹を維持し、専門家による意識気的な管理をしているのが特徴的でした。
このように、芦屋市と西宮市の取り組みから、街路樹の管理には、景観と安全の両面からバランスの取れた取り組みが求められることがわかりました。街路樹は市民の憩いの場や、防災・減災の面でも重要な役割を果たしています。船橋市においても、両市の取り組みを参考に、街路樹の樹種や配置の選定において、景観と安全の両面を考慮しながら、今後の街路樹の管理に新たな視点を取り入れていくことが重要と考えられます。

ことわざに「木を見て森を見ず」という言葉があります。一点(木)に集中し、全体(森)が見えていないということです。逆に「森を見て木を見ず」となると、全体(森)を見渡すことに集中し、細部(木)まで目が行き届かないことになってしまいます。船橋市全体の行政も重要ですが、一人一人の市民ニーズに応える行政のあり方についても注視をしていかなければなりません。
多様性の時代だからこそです。