ロシアが2月25日、ウクライナに軍事侵攻しました。平和と秩序を脅かす暴挙と言わざるを得ません。報道等では戦争という表現をしていますが、私は一方的な軍事侵攻に対して、戦争という表現はあまり好きではありません。色々と申したい点は多々ありますが、互いに主義主張が異なるとしても、力の理論による解決手段を用いることは絶対にあってはなりません。一日も早い平和的解決を心底願うばかりです。

さて、船橋市における振り込め詐欺被害は、深刻な状況が続いています。昨年の被害状況は、被害件数130件、被害金額は3億7331万円、千葉県内ワースト2位。過去7年間の被害金額は約21億円、市予算の約1%に相当する市民の財産が、詐欺犯によって奪われています。市は日頃の啓発活動からあらゆる対策を講じてきましたが横ばいが続いています。

私は、これまでの振り込め詐欺被害状況が改善されていないことから、市の対策に一定の効果はあるものの効果は薄まっているとし、既存の取り組みに加えて新たな対策を講じるべきだと思います。その上で、市に対して、深刻な状況を打開するためにも、今一度、本件について真剣に取り組むべきであると質しました。詐欺被害の大半が、直接固定電話に出たことがきっかけとなっており、振り込め詐欺対策の入口は固定電話であることは明白です。その電話機に防犯機能を取り付けるなどの対策を行うことで、詐欺被害を未然に防げることも、これまでの詐欺被害防止の事例からもわかっています。

そこで、過去の一般質問でも取り上げたNTTのAI技術を活用した特殊詐欺対策について再度提案しました。固定電話に設置された専用装置によって、録音された音声ファイルをAIで解析後、詐欺の危険性を察知した場合にあらかじめ登録されている第三者へ連絡がいく仕組みです。直近の事例で今年一月、東京都品川区で女性から現金を騙し取ろうとした詐欺犯の受け子が、特殊詐欺対策サービス機器の探知によって逮捕されました。同区では、本機器の取り付け設置補助金の交付事業を、65歳以上の希望する方を対象に補助額8800円を上限に実施しています。品川区の事例をもとに、本市でも同補助を検討すべきでないかと提言しました。

市の答弁では、依然、県内ワースト2位であることについては、重く受け止めるとし、新たな防止策についても検討する必要があるとのこと。今回のAIの事例を含めて詐欺被害を防止するためにどのような支援が有効か検討したいとのことでした。引き続き、市の対応を注視して参ります。