謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年始年末はいかがお過ごしでしたでしょうか。帰省された方、行楽地に行かれた方、ご家族で過ごされた方、お仕事されていた方など、昨年と比べて新型コロナの感染状況も少し落ち着き、そして連休中は天候にも恵まれ、少し晴れやかなお気持ちで新年を迎えられたことと思います。私もお墓参り、挨拶周りなどで過ごしました。昨年は外食等も控えていましたが、今年は久しぶりに親戚の集まりで食事をしました。このように何気ないお正月の過ごし方でも、数年ぶりにほっとした幸せを感じました。特別でなくても穏やかに過ごせる「普通の幸せ」とは本当にありがたいものです。

さて、今年の干支(えと)は卯年ですが、干支とは「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した言葉です。十干とは古代中国の思想から考えられたもので、「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き・みずのと)」という10個の要素で成立しています。十二支も古代中国の思想から考えられたもので、木星が太陽の周りを公転する周期が12年であることから天を12等分にしたのが十二支ととなり、さらに浸透させるために、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)と、後から動物の名前が付け足されました。
この十干と干支の組み合わせは60通りで、このように干支が60年一周して還ることから、60歳になった時を「還暦」として祝うようになりました。他にも、壬申の乱(みずのえさる)や、甲子園球場(きのえね)、戊辰戦争(つちのえたつ)などの名の由来も、十干と十二支の組み合わせから名付けられました。

話を戻しまして、今年の癸卯(みずのとう)は、物事の終わりと始まりを意味する他、これまでの努力が実を結び、大きく飛躍する年になると言われています。過去の出来事では、1975年にはサザエさんの放送開始、1987年には国鉄の民営化、1999年にはiモードサービスが開始、2011年には地上波デジタル放送へ完全移行など、時代の始まりや終わりの傾向が反映されています。こうしたことから今年は、新型コロナの収束と、我慢を強いられた生活から普通の幸せを感じられる、幸多き一年の幕開けを期待したいと思います。

うさぎの五感は人間以上に優れていると言われます。ピンと目立つ大きい耳は360度の広範囲で遠くの物音まで聞こえる仕組みです。顔の両側にある大きな目も広範囲に見渡せることができます。そして一番優れていると言われる嗅覚は、微かなにおいも感じとり、多くのにおいも嗅ぎ分けられ、ひくひくと動かしている鼻で多くのにおいを感じとっています。

今年の抱負は、聞き耳を立ててよく聞き、物事は俯瞰してよく見つつ、わずかな環境の変化も見逃さずよく感じとる、まさに「うさぎ」のように、飛び回る一年にしたいと思います。