高齢者における情報格差の解消について、これまでに議会で何度も取り上げてきました。そして、新型コロナウイルス感染拡大防止からオンライン化が急速に進み、職場や日常生活のほか、教育現場においてもオンライン学習が導入されるようになりました。さらには、本庁舎、公民館など各公共施設においてWi-Fiの導入をはじめ、公共施設のオンライン予約システムの拡大、ネット上で美術品を紹介するバーチャル美術館の開設予定など、あらゆる公共サービスがオンライン化に移行しつつあります。』
このような状況下において、市民サービスの向上を評価したい一方、サービスを利用したくてもできない人も一定数いることから、市民の平等利用を確保する必要があります。そこで、9月9日の一般質問において、市の現状の認識と、今後どのような支援を行なっていくのか伺いました。
【市の答弁】
昨年の市政モニターアンケートにおいて、各デジタル端末のいずれかを利用している割合は約97%。世代別の利用率では、50代までが90%を超える利用率であるのに対して、60代以上では80%を切る利用率となっている。この調査結果からも、世代による情報格差が生じており、何らかの支援が必要であることは認識している。
また、ICT利活用の費用面での支援については、現在のところ予定はしていないが、情報格差の解消に有効な施策について調査研究をしていく。
最近の他市の事例の1つで、和歌山県印南町は全世帯にカメラ付きパソコンなど導入し、生活に関わる情報やサービスをオンライン提供するため、国の新型コロナの臨時交付金を財源にパソコンの購入費5万円を上限に補助、そして65歳以上の住民がスマホを購入する際、厚生労働省が提供している接触確認アプリのインストールと利用を補助の条件に上限2万円補助。また、東京都渋谷区では高齢者にスマホの配布を検討しているとのことで、防災情報や見守りサービスなどの利用を想定しているなどとしてICT環境整備を目指しているところもあります。
その一方で、高齢者のネット通販トラブルが急増しています。日本経済新聞の記事(16日)で、『国民生活センターの相談データをもとに、高齢者のネット通販トラブルに関する相談が15倍に急増し、手軽さ故にトラブルを誘発しているとのこと。慣れない画面構成や操作手順が高齢者特有の誤注文を招いており、トラブル発生率も高い。売り手はネット時代の「買い物弱者」を守る対策を講じる必要がある』としています。
以上のことも含めて、情報格差の解消と今後さらに進むとされるオンライン化について、誰もが利用できる市民の平等利用と安全性を確保するためにはどうすればよいか、このことを検討課題としながら、引き続き情報格差の解消に向けて取り組んで参ります。