ここ数日、不動産投資や光回線などの勧誘電話が、私の携帯にかかってきます。どこから連絡先を得たのかと尋ねると、慌てた様子で電話を切られてしまいます。そのまま応対すれば、売り込みされるのと同時に、情報収集までされるかと思うと怖いものです。また、電話でなく訪問営業となると、住所や個人情報を知られていることから、直接断りにくいものですが、お断りする旨をはっきり伝えることが重要です。

最近市内において、業者の悪質な訪問による屋根工事のトラブルが急増しています。近くで工事をしているので、あいさつに来ました。お宅の屋根がおかしい、屋根を無料点検させてほしいなど、このように言葉巧みに不安をあおり、急いで契約を迫るなどといった相談や情報提供などが、消費生活センターに多く寄せられています。

一昨年に八木が谷に住んでいる73歳になる両親も、同様の手口で契約させられそうになりました。偶然、実家に寄った際、屋根工事の訪問業者が屋根の点検を行っていたところに遭遇し、間一髪で契約を逃れることができました。しかも事前に複数の業者が訪問していたということで、両親が同じ業者と思ってアポをとったところ、どうやら異なる業者でバッティング訪問となっていました。その原因は、名刺もなく、会社名も名乗らず、それぞれどの業者なのか不明であったということでした。

このように高齢者だけのお住まい、あるいは日中は高齢者だけのお宅は要注意です。今回の屋根工事に限らず、訪問販売における特定商取引法では、事業者に対して、勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることなどを消費者に告げるように義務付けています。また、虚偽の説明をしたり不安を煽って困惑させたりする勧誘行為も禁じられています。つまり、大半の訪問販売は違法性があるので、その場で判断せず、必要があればこちらから連絡するといって、その場から立ち去ってもらうことです。

また、訪問販売は販売ではなく情報収集を目的とすることがあるので、さらに注意が必要です。家族構成や連絡先、収入や資産状況などあらゆる情報が引き出され、名簿化される恐れもあります。実際に、修繕工事の見積もりで、その場で高額な金額を提示され、相手の反応によって資産状況を見定めることもあるようです。

今回の連続強盗事件なども、アポ電によって事前に詳しい情報を引き出していたこともわかりました。業者からの質問には一切答える必要もないですし、教える必要もありません。その場では話を聞かず、迷わず消費者センターに相談をしてください。本当に修繕が必要なのかどうかは、馴染みの建具屋さんに見てもらうことが一番の解決策かと思います。

【消費者庁】特定商取引法ガイドの国及び都道府県における処分事業者